シュガーアップル

読みました。
 
ひさしぶりに少女ものの王道、しかも非常に完成度の高い王道を見せつけられました。
王道を読むなら、ぼくはやっぱり少女もののほうが好きのようです。
ヒロインがいて、王子様がいて、恋路には障害があって、悪役がいて、そして最後には結ばれる。
たったこれだけなんだけど、それがとてもおもしろい。
 
ヒロインがなぜ旅に出ないといけないのか、なぜ王子様と出会わなければいけなかったのか、
そして二人は、どうして心を通わせることができたのか。
そのあたりの動機付けがわかりやすくて、共感できる。
だからヒロインと一緒になって、怒り、泣き、喜ぶことができる。
 
ひとつもったいないとすれば、終盤の盛り上がりの欠如でしょうか。
この作品で一番美しかったシーンといえば、たぶん妖精が生まれるシーンだと思うのですが、
あのシーンと同等程度の美しいシーンが、終盤に一つあったら、
もっと映像的にもりあがった気がします。
 
ともあれ、おもしろかった。
またなにか少女ものが読みたくなってきました。